【中学受験】暗記が苦手な子に、「考える順番」が身につく学習ソングを作った話
中学受験のテストで見えた「滑車」の取りこぼし。丸暗記ではなく、「考える順番」が自然と身につく学習ソングにしました。YouTube投稿後に家庭で起きた変化の記録です。
目次
テストの答案を見返したとき、次女が落としていたのは「誰も解けないような難問」ではありませんでした。 全国の正答率が高い基本問題なのに、「なぜそうなるのか」という考える順番が見えていなかったのです。
結論からお話しすると、わが家ではその「考える順番」をそのまま歌にしてみました。 これで成績が上がるかどうかは、まだ分かりません。 けれど、次女のために作った歌がいつの間にか家族みんなで聴く曲になり、自然と勉強のことが会話にのぼるようになりました。
この記事では、滑車の問題をどうやって歌にしたのか、そしてYouTubeに公開したあとにわが家で起きた変化についてお伝えします。
落としていたのは「考える順番」が見えていない問題でした
理科の答案で気になったのは、テスト後半の難しい問題ではありませんでした。 後半にある正答率1〜3割ほどの難問は、多くの子どもたちが苦戦する場所です。
一方、前半にある「滑車」の問題では、全国の8割が解ける問題を1問、6割前後が解ける問題を2問落としていました。 この3つの問題に共通していたのは、「力」と「引く距離」をセットで考えることでした。
「理科全体が苦手」と大きく捉えてしまうと、何から手をつければいいか迷ってしまいます。 でも、「滑車で『力』と『距離』をセットにする部分」と原因を絞り込めば、家でやるべき直しが見えてきます。 難しい問題を増やすより、すでに知っている知識同士を「考える順番」でしっかりつなぐことのほうが先だと考えました。
→ 【中学受験ログ2027 #8】算数が平均−14.7点から平均+13.6点に。理科の敗因は「滑車の3問」
だから語呂合わせではなく「考える順番」で歌にしました
滑車の歌を作るとき、ただの言葉の丸暗記や語呂合わせにはしませんでした。 問題を見たときに、「どんな順番で頭を動かせばいいか」を自然と思い出せるようにしたかったからです。
滑車の問題を解くときは、次のような手順で考えます。
- 滑車が止まっているか、おもりと一緒に動くかを見る
- 滑車を支えている糸が何本あるか数える
- 動滑車なら2本の糸で支えるので、引く力は半分になる
- その代わり、引く距離は2倍になる
この「仕組みの流れ」をそのまま歌にすれば、「力が半分、距離は2倍」という結果だけを丸暗記せずに済みます。 「どうしてそうなるのか」を、一歩ずつ順を追って確かめられるのです。
歌詞を作るときも、AIに任せるのではなく、親である私が「考える順番」を整理して組み立てました。 歌は、その手順を何度もくり返して覚えるための道具です。
机に向かわない時間にも聴けるよう、YouTubeに置きました
完成した歌は、家の中だけで聴くのではなく、YouTubeにも公開しました。 机に座って問題を解く時間とは別に、気軽に「考える順番」に触れられる場所を作りたかったからです。
動画は、静止画と音声だけのシンプルなものです。今は25曲を公開していて、最初に作った滑車の歌はこんな形になりました。
Music by Suno AI
公開している25曲
同じ作り方で、答案で落としていた単元を1曲ずつ歌にしています。理科が10曲、社会が15曲です。気になるものだけ聴いてもらえれば十分です。
〈理科〉
→ 栄養がはい乳にあるなら有はい乳種子、子葉にあるなら無はい乳種子
〈社会〉
どの曲も、覚える言葉を増やすためではなく、「どの順番で考えるか」をなぞれるように作りました。社会の15曲も同じです。年号や地名を並べるのではなく、出来事のつながりや、その港が何を運んでいるか、その機関が何をする場所かから思い出せる形にしています。
YouTubeに置いたのは、歌だけで完璧に覚えさせるためではありません。 問題を解くときに「どうしてこうなるんだっけ?」と仕組みを思い出す、きっかけの一つにしたかったからです。
歌にしたら、勉強の話が自然と家族の会話になりました
8月6日の夜、妻から「次女と長女の3人で、揃った11曲を見ながら聴いていたよ」と教えてもらいました。 私はその場にいなかったので妻からのまた聞きですが、中学受験を終えた長女も「今どきの曲調」に驚いていたそうです。 次女のために作った教材に長女が反応してくれたのは、意外でしたが、うれしいことでした。
その夜、長女と直接話す機会がありました。「長女向けの曲も作ってあげよう」と伝えると、笑っていました。ここは、私が直接見た反応です。
翌朝には、長女にYouTubeの動画も見せました。本当に動画になっていることに驚いていました。 次女の学習道具として作った歌が、いつの間にか家族の会話をつなぐきっかけになっていたのです。
成績につながるかは、まだ分かりません。 それでも、親が押し付ける前に家族の側から歌を聴き始めてくれたことで、家庭の中の「勉強についての空気」が少し柔らかく変わったように感じています。
気をつけたのは「AIの誤り」と「誰に向けた動画か」です
歌はくり返し聴くものだからこそ、AIが作ったものをそのまま使いません。 実際、理科の曲で「食塩」を「しょくしお」と歌っていることに気づき、ひらがなの歌詞を見直して音源を作り直しました。文字だけでなく、鳴っている音を聴いて確かめる必要がありました。
AIで作る教材を、子どもに渡す前にどう確認したかは、別の記事にまとめています。
YouTubeでは、「子ども向け」ではなく「保護者向け」の動画として整理しています。 歌を聴くのは子どもですが、それを見つけて学習のきっかけとして届けるのは親だと考えたからです。
→ 【中学受験】AIで学習ソングを作ってみた|語呂合わせにしなかった理由
まとめ:「考える順番」で覚える歌は、家族の会話の入口になりました
わが家では、滑車の「止まるか動くか」「糸が何本か」「力と距離の関係」を「考える順番」の通りに歌にしました。 暗記する言葉を無意味に増やすのではなく、すでに持っている知識を仕組みでつなぐためです。
この方法は、答案を見ながら「どこで考える順番が切れているのかな?」と子どもと一緒に探せるご家庭に向いています。 歌だけで楽に丸暗記させたい場合や、内容を確認せずにAIの出力を使いたい場合には向きません。
今回の歌が、問題を解くときの助けになるかは、これから確かめます。 けれど、次女の教材から始まったものが、家族の温かい会話になったこと。それは、作ってみて初めて分かったことでした。